ノロウィルスは人間が培養している!?魚介類の汚染と感染の循環サイクルとは?

12月に入ってイベントが多いこともあり、飲食店ではノロウィルスが原因の食中毒が相次いでいます。

暖かい食べのものが美味しく感じられる冬は嫌いな季節ではないんですが、健康面で考えると病気に掛かりやすくなるちょっと不安な季節。

ノロウィルスに感染して苦しい思いをした経験のある人はあの症状の苦しさから、ノロウィルスだけは二度とゴメンだ!というくらいその辛さは半端ありません。

都内ではブルガリが経営する高級イタリアンレストランで、49人もの食中毒者を出してしまい営業を自粛しているとニュースになっていました。

その他、全国各地で年末恒例の餅つき行事でノロウィルス感染があったりして、行事を自粛する自治体が相次ぐなど食品に絡んだノロウィルス感染が猛威を振るっています。

主に十分に加熱処理されていない魚介類からの感染が多いノロウィルスですが、実は人間の体内で培養されたノロウィルスが自然界を循環している?

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目次
1.ノロウィルスにも種類がある
2.ノロウィルスは人の体で培養され循環している?
3.ウィルスにマスクは意味がない?
4.トイレの後に手洗いしないリスクがすごい!
5.トイレの後は水洗いだけで大丈夫?
6.まとめ

1.ノロウィルスにも種類がある

ノロウィルスにはゲノグループI~Vのグループが確認されていて、そのうち人間に感染するのはI、II、IVの3種類。総称でヒトノロウィルスと呼ばれています。

その他、ウシやブタに感染するノロウィルスも確認されており、今のところヒトノロウィルスが動物に、ウシやブタのノロウィルスが人間に感染したケース例は報告されていません。

他の動物を介しては感染しないんだ!ちょっと安心したという見方もできますが、この点がノロウィルス研究の遅れている原因にもなっています。

なぜならウィルスは人工的な培養が困難なのと、ヒトノロウィルスの人間以外に感染しないという特徴から、マウスなど動物を使った薬の実験が出来ずにワクチンの開発が難航しているという側面があるからです。

ウィルスは様々な動物に感染を繰り返す過程で、今までとはタイプの異なる突然変異が出現するなど爆発的な進化を遂げる可能性を秘めていますから、それはそれで恐ろしいですが、逆に他動物への感染がないという特徴が薬の研究を難しくしているとはちょっと驚きです。

2.ノロウィルスは人の体で培養され循環している?

ノロウィルスの感染源としてよく名前が出て来る代表的な魚介類が生牡蠣などの二枚貝です。ニュースを見ていると「十分に加熱処理されていない魚介類を食べて」としか報道されていないので、元から魚介類がノロウィルスを保持しているものと勘違いしてしまいがちです。

ですが今のところ、他の生物にヒトノロウィルスの感染例が確認されていないことからもわかる通り、貝類がもともとウィルスを保持している訳ではありません。

ノロウィルスは人間の腸内でのみ増殖するという特徴を持っていて、一度腸内に入ったノロウィルスは想像を絶する勢いで爆発的に増殖します。

そして人間の体内で爆発的に培養されたノロウィルスは、排泄によって体外に放出されます。その大きさは20~300ナノメートルと極微細なため、排泄物に多量に含まれたノロウィルスは汚水処理施設でも処理出来ずに川から海に流れ込みます。

海に流れ込んだノロウィルスを貝類が海水のろ過で蓄積してしまい、生牡蠣など貝類を熱処理されないまま食べてしまうことによって、再びノロウィルスが体内に取り込まれるという循環が生じている訳です。

ウィルスは細菌の様に自身で細胞分裂して増殖することが出来ません。そこで生物の体内に潜り込み、その生物のタンパク質と細胞分裂を利用して複製をつくりだし増殖します。

実は、われわれ自身がノロウィルスの培養工場になっていると思うと、ちょっと恐ろしい事実です。

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3.ウィルスにマスクは意味がない?

季節の風物詩となっているマスク姿。通勤電車では男性が2~3割、女性に至っては9割ぐらいの方がマスクを着用しているんじゃないでしょうか。

ニュースやネットを見ているとウィルスに対してマスクの有効性が賛否両論ある様です。
ウィルスの大きさは20~300ナノメートルと電子顕微鏡でないと見れないほどの大きさ。

対してマスクの繊維の隙間はその数十倍以上。大きさで比べるとマスクの隙間よりウィルスの方が圧倒的に微細でマスク越しに簡単に吸い込めてしまうことになります。

それじゃマスクしてても全然意味ないんじゃ?
と思えてしまう訳ですが、そうでもありません。

ウィルス感染の危険性は食品以外だと圧倒的に感染者の飛沫感染が多く、口からウィルスを取り込んでしまうことが原因となっています。

また、ウィルスの付着した手で口周りを触ってしまうことによって、ウィルスを口から取り込んでしまうのも原因の一つです。

空気感染であればマスクの隙間より小さいウィルスにマスクの有効性はありませんが、咳やくしゃみなどによる飛沫であればマスクで十分予防出来ますし、手で口周りにウィルスを付着させてしまう予防にもなります。

ということで感染してしまった人はウィルスを拡散させないため確実にマスクするというのを心掛けたい訳ですが、病状の無い人も飛沫感染の予防には有効であると考えて良いんじゃないかと思います。

もしノロウィルスの感染経路の主が空気感染だった場合、12月の時点でこれだけの感染者数を記録していることを考えれば、恐ろしくて外出できなくなってしまいそうです。

4.トイレの後に手洗いしないリスクがすごい!

トイレを使用した後にしっかり手洗いをしていますか?

会社や公共の場のトイレは不特定多数の人が使用し、もしかしたらノロウィルスの症状がある人が使用した後の可能性もあります。

ノロウィルスが最も多く含まれているのが、感染した人の嘔吐物や排泄物です。マスクと同じようにウィルスはトイレットペーパーの隙間すり抜けて、手に付着している可能性も否めません。

そういった場合には更に
・トイレのドアノブ
・便座
・便器
・ウィシュレットのボタン
・トイレットペーパー
・手洗いの蛇口

などにノロウィルスが付着している場合も考えられます。

自宅、飲食店、物販店、公共の場など、あらゆる日常的な場所で感染の危険性があるということになりますね。中でも注意しておきたいのは会社や公共施設のトイレです。

トイレ後の手には様々な雑菌が付着していますので、衛生面での手洗いはもちろんですが、ウィルス感染のリスクを軽減するという意味でも意識しておきたいところです。

5.トイレの後は水洗いだけで大丈夫?

ノロウィルスはとても耐性が強いウィルスで水洗いだけでは滅菌できません。
また、アルコール除菌も効果がないとされています。

滅菌に有効なのは
・次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用漂白剤
・80度以上の熱湯で一分程度

となかなか難易度が高いですね。外出先であれば尚更です。

アルコール除菌の効果がないとするとハードルが高いですが、手洗いしないより手洗いする方が確実に感染のリスクを減らせます。

ナノレベルのウィルスを出来るだけ除去するためには、ハンドソープや石鹸を使って時間をかけて手を洗浄するのが一番効果的です。

6.まとめ

ノロウィルスは12月がピークですが、1月も新年会などイベントの多いシーズンが続きます。未だ有効なワクチンは開発されていない状況ですので、特に体力無い年配の方や子供には注意を怠らないようにしないといけませんね。

ノロウィルスが人間の中で培養されて、自然界に放出されたものがまた人間の中に戻ってくるというサイクル。

目には見えないナノレベルのウィルスですが、誰かの体の中で培養されてたウィルスが体内で悪さをしていると思うとちょっと不思議な気分です。

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