フローリングにも種類がある!?新築マンション購入前に知っ得!【複合フローリング編】

住宅ローンの金利が低水準で推移していることもあって、今のうちに新築マンションや戸建ての購入してしまおうと検討している人も多いんじゃないでしょうか。

わたしの住んでいる地域でも注文住宅や建売住宅がどんどん建設されていて、不動産業界は盛況の様です。

家を購入する時って立地や購入価格、広さや間取りなど色々検討確認しなければならないことがあって大変ですよね。

考えることの積み重ねが多すぎて、意外と部屋に使われている材質については確認が疎かになってしまいがちです。

特にフローリングは住宅に使われる建材のなかでも面積が広く、住み始めてから綺麗に維持するためにはメンテンスが必須です。

そこで今回はフローリングにも種類がある!?新築マンション購入前に知っ得!【複合フローリング編】ということで記事したいと思います。

フローリングの種類を知っておこう

◯マンションのフローリング、寿命はどれぐらい!?劣化したら張替えするしかない?
フローリングの種類についてはこちらの記事でも紹介していますが、更に詳しく紹介したいと思います。

現在、新築マンションで使われているフローリングの種類は大きく分けると
A.複合フローリング
B.無垢材(単層)フローリング

の2種類が一般的です。

一番多く使われているのが複合フローリングで、無垢材フローリングを使用した新築マンションはほとんど見られなくなりました。

注文住宅やリフォームでオーナーが無垢材のフローリングにこだわりがある、リノベーションで物件に特色を持たせたいなどの特殊な需要となっている印象です。

複合フローリングとは?

複合フローリングは木材の合板やチップを張り合わせて積層したものを基材にして、表面だけ仕上げとなる木材を薄くスライスした単板を張ったフローリングです。無垢材フローリングと違って基材が合板なので、その分材料のコストを抑えられるのが特徴です。

また複合フローリングは
A-1.防振性フローリング(裏面にクッションが貼ってあるフローリング)
A-2.通常のフローリング(裏面にクッションの無いフローリング)
A-3.シートフローリング(表面が単板では無く木目のプリント素材)

などの種類に枝分かれしています。

その特徴については以下のとおりです。

A-1.防振性フローリングの特徴

マンションで採用されることが多い、裏面にクッションが貼ってあるフローリングです。
フローリングを通して伝わる下層階への衝撃を軽減出来るメリットがあります。

(表面)

◯断面を見ると木材が積層になっているのがわかります。

(裏面)

◯裏面はこんな感じでクッションが貼られています。

防振性フローリングが採用されるのは、コンクリートに直接フローリングを張る直張りの場合です。コンクリートから床上げする二重床の場合は、二重床が防振の役割をしてくれるので通常のフローリングが採用されるのが一般的です。

直床とか二重床はマンションを建設する建設会社によって異なり、建設会社の建設方法に左右されること多いです。量産マンション建設大手の長谷工なんかはコンクリート直にフローリングを張る直床を採用しています。

簡単に言うと直床の場合、二重床の様にスラブの上に床をつくる必要がないので、その分建設費用のコストダウンにつながるといったところでしょうか。

防振性フローリングの踏み心地は裏面にクッションが貼ってあるので、フカフカとした感触があって初めて体験する人は慣れるまで時間が掛かるという人もいる様です。

【防振性フローリングには等級がある】
マンションの場合、LL-45もしくはLL-40というフローリングの防振性の基準が決められています。もしリフォームなどでフローリングを張り替える場合は、管理規約に準じて同じ等級のフローリングを使用しなければなりません。

等級はLL-45<LL-40といった具合でLL-40の方が防振の等級が高くなりますが、実際にはLL-45の基準を定めているマンションの方が多いです。

A-2.通常のフローリングの特徴

下層階への振動の影響を考慮しなくてよい戸建住宅や二重床が採用されているマンションで使用されることの多い裏面にクッションが無いフローリングです。

戸建ての場合はこちらの通常のフローリングを採用しているところが多い様です。

防振性フローリングとの違いはクッションが貼ってあるか貼ってないかの違いで、基材は同じく合板の積層で表面に単板を貼ってあります。

クッションが無いので踏み心地は固く、昔からあるフローリングです。

A-3.シートフローリングの特徴

シートフローリングも同じく木材の合板を積層したものを基材にして、表面に木目をプリントした塩ビ素材を貼ったフローリングです。

(シートフローリングの断面)

◯断面を見ると木材が積層になっているのがわかります。

(シートフローリングの木目)

◯ぱっと見、プリント素材には見えません。

シートフローリングは驚くほど精巧に出来ていて、一見プリントには見えないほどの木目や質感があります。

プリントというと安っぽく感じてしまいますが、フローリングとしての耐久性を維持するためにプリント素材の上に強化コーティングが施されていて、歩行の摩擦や衝撃にも耐える高耐久性を実現したフローリングです。

天然の木目を模したものや、天然にはない木目や色の種類もあることからデザイン性を好む人には人気で、マンションでの採用もどんどん増えています。

複合フローリングのメリット、デメリットは?

【複合フローリングのメリット】
複合フローリングのメリット挙げたらきりがありませんが
大量生産に向いている
材料供給が安定している
価格帯の選択肢が豊富
生産ロット違いはあるものの、ある程度品質が均一である
木材特有の湿気による変形が少ない
材料自体の耐久性、安定性がある
などが挙げられます。

環境問題が多く聞かれる中、輸入できる木材も減少傾向にあって、なかなか良い木材が取れなくなってきています。

その点では一本の木を贅沢に使用する無垢材のフローリングに比べ、表面だけに木材を薄くスライスした単板を使用した複合フローリングはエコな建材と言えます。

また木材の積層を基材に使用することでフローリングの柔軟性、安定性が保たれ、十数年に及ぶ歩行の衝撃にも耐えうる優れたフローリングだと思います。

木材の大敵である湿気による変形も無垢材のフローリング比べると極端に少なく、床鳴りなどの不具合も少ないというのもマンションで広く使われる所以ではないでしょうか。

フローリングとして最も普及している、戸建てやマンションで多く使われているのが複合フローリングということになります。

【複合フローリングのデメリット】
複合フローリングのデメリットは強いて言うなら、表面の単板が薄いのでヒビが入る、欠けてしまう場合あるといった劣化に弱い点です。

表面に極薄い単板、プリント素材が貼ってあるだけなので、何かフローリングに落として突き刺さったして表面材にダメージがあった場合に放置してしまうとそこから埃が入って単板のひび割れ、剥がれすすむなど劣化が早まります。

また多量の水分にも弱く、積層の合板が多量の水分を含んでしまうと乾燥する際の木材の伸縮で積層にヒビが入ってしまったり、剥離の原因となってしまいます。

特にクッション付きのフローリングはクッションがスポンジの役割をして多量の水を含みやすく、その後乾燥もしずらいので最悪の場合内部にカビが発生してしまうこともありますので注意が必要です。

メンテナンス方法の違いについて

フローリングのメンテナンス方法は
防振性フローリングと通常のフローリング
シートフローリング
でちょっと異なってきます。

【防振性フローリングと通常のフローリングのメンテナンス】
通常はフローリング用のワックスで表面につく汚れや埃、水分から表面材の単板を保護します。

ワックスは3ヶ月~6ヶ月ぐらいのスパンで剥離して塗り直しをしてあげるのが綺麗に保つコツなんですが、家具が多数置いてあるとどうしても濡れない場所が出てきたり疎かになってしまいがちです。

また、部分的な塗り替えでこまめにメンテナンスするのも有効ですが、塗り替えた所だけ艶が変わってしまうこともあってワックスを頻繁に塗り直しすることは物理的にもちょっと難しそうです。

とは言ってもワックスも汚れが付着して汚れてきますから、見苦しくなってきたら塗り替えすることをオススメします。少なくとも半年に1回、1年に1回ぐらいの頻度での塗り替えが理想じゃないでしょうか。

また業者に依頼するフロアコーティングというのもあって、市販のワックスが半年から一年の耐久性に対してフロアコーティングは数年から数十年の耐久性をうたっている商品もあります。

業者に頼むので市販のワックスに比べると、かなり費用が掛かりますが家は資産でもありますから綺麗に保ちたいという思いでフロアコーティングを検討する人も少なくありません。

【シートフローリングのメンテナンス】
シートフローリングは表面のプリント素材の耐久性を保つためにプリント素材の上から強化コーティングをしているものが多いです。

そのためノンワックス、要はワックスをしなくても大丈夫というのもシートフローリングの売りになっています。

シートフローリングは見た目、艶があまりないのでマットな印象なのでワックスをかけたときの艶感が好きな人には物足りません。

ですが、せっかくメンテンスフリーのフローリングにワックスをかけてメンテナンスの手間を増やすかどうかは好みの問題です。

もっと言えば、フローリングの光沢は天井照明の光で床のキズを目立たせます。シートフローリングはマットなのでキズが目立ちにくいというメリットがあります。

以上の通り
防振性フローリングと通常のフローリングはワックス掛けとメンテンナスが必須。
シートフローリングはメンテンナスフリーのものが多い。
ということになります。

床暖房は大丈夫?

最近のマンションは床暖房が標準で付いている物件が多くなってきました。とはいっても床暖房の設置は安いものではありませんから、マンションの価格に反映されます。

床暖房は先程の項で出てきた直床、二重床の場合どちらも設置は可能です。

そこで気になるのが複合フローリングが床暖房に対応しているかという点ですが、いずれの複合フローリングも床暖房に対応している商品があります。

マンションや戸建て建売の場合、予め設置されていますので対応しているフローリングを使用しているということになりますから特に気にする必要はありませんね。

気にする必要があるのはリフォームで床暖房とフローリングをセット考えなければいけない時です。

フローリングの種類を知っておいても損はない!?

マンション事業者にとって大事なのは建設費です。
建設費が高くなってしまうと当然比例して販売価格も高くなってしまいます。

そこで、マンション建設では部屋の仕様が決まった住戸を多くつくるというスケールメリットによって、建築コストを抑えているというのはご存知の通りです。

特にフローリングは一住戸で70平米~100平米の面積がありますから、そのスケールメリットによるコスト調整幅は計り知れません。

とはいっても色の好みは人によって別れますから、販売しやすいようにマンション事業者の方でおおよそ3種類から5種類程度のフローリングカラーバリエーションを用意することが多いようです。

建設途中なら契約した部屋のカラーを選択できるという場合もある様です。

このように購入する側は予め決められたフローリングの住戸を購入することになりますから、住み始めてからのメンテナンスのことを考えると使われている材質について知っておいても損はありません。

建売戸建て住宅の場合でも出来上がっている家を購入しますので、マンションと比べても条件はあまり変わりませんね。

まとめ

住まいの購入は人生や家族にとっても一大イベントです。下準備して置かなければいけないことが多くて大変ですが、住み始めると今度はメンテナンスについての悩みが出てくるものです。

特にフローリングは面積も広く、キズや汚れが目立つとそれだけで気になってしまいます。生活している以上は完全に保つことは難しいですが、フローリングの素材を知っておくことでメンテナンスに役立つことがあるかもしれません。

フローリングもどんどん新しいものが開発されて、もはや天然素材にこだわらなくても質感、風合いがとてもリアル、それでいてメンテナンスフリーというシートフローリングも普及してきています。

そういったこれから住む家の素材についても検討の材料とすれば、住み始めてからのメンテンナスが少しでも楽になるかもしれませんね。

フローリングのメンテンナンス、フロアコーティングについて興味があればこちらもチェックしてみてください。